表現は祈り。想いを絵本に。

心豊かに生きる幸せをオーダーメイドします。

絵はリトマス試験紙。「絵の上手さ」の本当の意味とは。

絵は世の中にごまんとあれど、上手い絵の基準は何だろう?そう思ったことはありませんか?

もしかすると、あなたは日々絵を描く練習をしているけど、なかなか上手くならない…描くのが億劫になってきた。そんな悩みを抱えているのかもしれません。

 

一言で「上手い絵」といっても、上手さには色々な種類があることは既にご存知だと思います。

 

「技術的に優れた絵」「彫刻のようなどっしりとした絵」「空間を感じさせる絵」

「理由は分からないけど感動する絵」

「味がある絵」という言い方もあります。

 

「絵の上手さ」は「技術の高さ」ではないのです。

 

私には、絵を描いていない時期が1年ほどありました。「自分には才能がないのではないか」と悩み、描くことが怖かったのです。

 

ちょうど勤務先で仕事が忙しく、職場の人間関係にも悩んでいた時だったので、絵を描く精神的なゆとりも持ち合わせていませんでした。

それから自分を見つめ、心の弱さを克服するためにもがき、時には色々な妥協も経験しました。

 

葛藤を乗り越え、心にゆとりが生まれたある日。ふと「描きたいな」という思いが心によぎったのです。

まるで蝶が花から花へ、ひらりと舞い移るかのような軽やかな気持ちでした。何気なく絵筆をとり、画用紙にネコを描きました。

 

すると、ブランクがあるにもかかわらず、母に「味がある絵だね。タッチが変わった。昔のあなたはこんな絵を描けなかったと思う」と褒められたのです。

 

身内なので贔屓目もあるのかもしれませんが、自分としても以前とは変わったという実感がありました。心境の変化が作用したのでしょう。

この場合、技術はそれほどでもないけど、 「味がある絵」ということになります。

 

リトマス試験紙のように、描いた絵には心の状態が現れます。

 「〇日間で上手くなりたい」などと焦って練習していると、その焦りが画面から滲み出るものです。

 

絵の上手さには一定の水準がありますし、技術に磨きをかけるのは大切なことです。

しかし、描かない間に積んだ人生経験があなたの絵を上達させ、絵の上手さ以上の感動を呼ぶこともあり得るのです。

 

誰かが必ずあなたの絵を見ています。心穏やかに、絵の上達を待ちましょう。